保存整備 / 本丸御殿の復元
復元模写
狩野派の美と色彩を現代に。
本丸御殿は、狩野貞信や狩野探幽など日本画史上最大の画派「狩野派」の絵師たちにより、部屋ごとに異なる題材で、床の間絵や襖絵などが描かれ、豪華絢爛に彩られていました。
戦災により本丸御殿は失われましたが、取り外すことができた襖絵や天井板絵などは焼失を免れ、今も大切に保管されていて、そのうちの1,047面が国の重要文化財に指定されています。
名古屋市では、「狩野派」の絵師たちが全精力を注いで描いた障壁画の美と色彩感覚を現在によみがえらせるため、1992年(平成4)より本格的な復元模写を進めています。
忠実に復元するためには、当時の絵師が使っていた素材や技法を用いなければならず、顕微鏡やコンピュータ、史料などで研究・分析を重ねています。
ミクロ単位の観察をもとに緻密な作業が行われ、江戸時代の絵師たちの感性とダイナミズムの再生に挑み続けています。
復元模写については、1,325面の完成に向けて計画的に進めています。
復元模写作品
復元工程
模写作品制作者
名古屋城本丸御殿障壁画復元模写制作共同体
(愛知県立芸術大学日本画保存模写研究会および加藤純子氏)
指導者紹介
加藤純子氏
東京芸術大学大学院日本画修了
1992年(平成4)名古屋城本丸御殿障壁画「竹林豹虎図」復元模写
名古屋城本丸御殿障壁画の復元模写に取り組む
2003~2005年(平成15~17)「国宝源氏物語絵巻」復元模写