保存整備 / 本丸御殿の復元

匠の技

職人の手仕事を未来へ継承

史料に忠実に本丸御殿を復元するために欠かせないもの、それが木造建築技術や美術工芸、それらを支える道具づくりや材料などの伝統の技術です。2009年(平成21)1月から始まった復元工事には、大工や石工、左官、金工など現代の職人たちが参集し、彼らの手仕事によって工事の大部分が進められました。
大規模な木造建築物の築造が減少する今、これまで継承されてきた伝統の技法は消滅の危機に瀕しています。緻密かつ正確な職人仕事は一度途絶えると復活させるのが難しいといわれる中、復元工事は匠の伝統技術や技法を披露すると同時に、先人の知恵や技を学ぶ貴重な機会でもありました。
そのため工事に関わる職人は可能な限り地域の人材を採用し、見学通路を設けるなど復元過程を広く公開。本丸御殿の復元プロジェクトは、匠の技法を未来へ継承する場ともなったのです。

大工職の画像
大工職
鬼師の画像
鬼師
左官職の画像
左官職
和釘の画像
和釘