名古屋城について / 建築・構造
本丸御殿
将軍を迎えた豪華絢爛な本丸御殿
尾張藩初代藩主、徳川義直の住まいかつ政庁として建てられた本丸御殿。
後に将軍の宿泊所となり、増築によってさらに豪華なつくりとなりました。
現在の本丸御殿は、寛永期の姿そのままに復元しました。
1612年(慶長17)に建築が始まり、1615年(慶長20)に完成した本丸御殿。初代藩主・徳川義直の新居であり、尾張藩の政庁としても使われました。
1620年(元和6)、義直は二之丸御殿へ住まいと政庁を移し、本丸御殿は将軍が上洛とその帰途の際に宿泊する御成御殿(おなりごてん)となります。1633年(寛永10)、三代将軍・徳川家光の上洛に先立ち、増築が行われました。翌年、上洛殿(御成御殿)や湯殿書院(ゆどのしょいん)、黒木書院などが完成し、さらに豪華なつくりとなりました。内装には、日本絵画史上最大の画派である狩野派の障壁画や、華美な飾金具が施されました。
1945年(昭和20)、戦災により天守とともに本丸御殿も焼失してしまいますが、襖絵や天井板絵などは取り外されており今も残っています。現存する1,049面のうち1,047面は重要文化財指定を受けています。
本丸御殿は、江戸時代の文献や戦前の写真、実測図などが残されており、それらをもとにした忠実な復元が2009年(平成21)から始まり、2018年(平成30)に完了しました。旧来の材料や工法を用い、寛永期の姿そのままの復元がなされています。