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名古屋城伝統の技にふれる2014 名古屋城石垣修復現場見学会

日時:平成26年1月12日(日)10:00~11:00、14:00~15:00

 1月12日、快晴の中、約730名の応募者の中から抽選で選ばれた104名の方に参加をいただき、石垣修復現場見学会を開催しました。開催場所は、現在石垣修復工事を行っている「本丸搦手馬出(ほんまるからめてうまだし)」です。
 搦手は大手(表門)に対する裏門を指し、馬出とは出撃のために騎馬や兵士をそろえるための場所であったと考えられています。
 本丸搦手馬出石垣の修復工事は、石垣の下方が前に迫り出し、崩落の危険性があったため、約1,200m²、約4,000の石材の解体・積み直しを行うものです。本丸搦手馬出石垣の修復工事の規模は全国的に見ても最大級のものになります。

 最初に二之丸広場にて名古屋城の石垣および石垣修復工事の概要について説明を行いました。次に、参加者の方はA班、B班の2組に分かれていただき、修復現場での見学を行いました。

 A班は水堀の中に設置された工事用の作業用通路から解体した石垣を間近でご覧いただきました。通常は築石(つきいし)(表面に見えている大きな石)しか見えませんが、築石の背面に拳から人の頭ぐらいの大きさの栗石(ぐりいし)が2~3mに渡り敷き詰められ、栗石の背面に土がある状態が観察できます。
 実際に石垣に近づき、本来ならば反っているはずの石垣が、水堀側に膨らんでいる状況を確認していただきました。史料から本丸搦手馬出は江戸時代の天和2年(1682)に積み直しがされたと考えられ、今回の工事はそれ以来の修復となりますが、今回の石垣の歪みの原因は石垣背面の盛土の排水に問題があったためと考えられます。
 本丸搦手馬出石垣には、石の横の列が通る「布積」と横の列が通らない「乱積」の二つの積み方が用いられていますが、布積部分は天和2年に積み直しがなされた部分であると考えられます。この積み直しの痕跡は背面の盛土でも同様の位置で土の違いとして確認されています。
 名古屋城の石垣に使われている石は、築城期には花崗岩、花崗閃緑岩、砂岩が大部分を占めます。花崗岩は小牧市の岩崎山や瀬戸地域、三重県の尾鷲地域、花崗閃緑岩が西尾市周辺の三河湾沿岸、砂岩が岐阜県海津市周辺の養老山系から運ばれたと考えられています。天和2年の積み直しの際には岩崎山から新たに石を運んでいるようです。
 今後は根石(石垣の一番下に積まれた石)や土台木(どだいぎ)(根石の下に入れる土台となる木)の状況について確認のための調査を行う予定です。

 B班は、取り外した石材をご覧いただきました。石垣の角に積まれる石材は、角石(すみいし)と呼ばれ、重さは約2tで、直方体状に加工されています。角石と角石の間には、石の座りを良くしたり、石の角度を調整したりするための敷金(しきがね)と呼ばれる金属の板が入っていました。
 石垣の石には、刻印(こくいん)や墨書(ぼくしょ)が入っている石材があります。名古屋城は徳川家康の命で20の大名が築いたため、自分が運んできた石材を他の大名のものと区別するなどのために入れられたと言われています。墨書には番号、記号、寸法、石垣での位置を表したものが見られますが、ご覧いただいた石材の中に「ほ」と考えられる文字が書かれたものがありました。
 今回ご覧いただいた築石は、ほとんどが天和2年に積み直しが行われた範囲から解体したものですが、築城時(1610)の石材を転用しているものもあります。築城期の石材は石を粗く割っただけのものが多く、形としては不揃いです。一方、天和2年の積み直しの際に新たに入れられた石材は、直方体状に形が整えられ、ある程度の規格の下に加工され、築石として利用されたと考えられます。
 多くの方が刻印や墨書、矢穴を熱心に観察し、写真を撮影していました。

 その後、A班は取り外した石材を、B班は作業用通路から石垣をご覧いただきました。

 名古屋城での石垣修復現場見学会の開催は初めてのことでしたが、参加者からは「本当に貴重な体験ができた」「こんなに間近で見ることができて感激した」といった声をいただき、皆さまに匠の技にふれていただくことの意義を感じることができました。

 今年度の石垣修復工事は3月末まで実施する予定です。工事の様子は二之丸庭園の北東や名城公園からご覧いただくことができます。また、刻印は、本丸御殿の東側の石垣や不明門北東側の石垣で見ることができます。この機会に名古屋城にお越しいただきますよう、皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

石垣修復現場見学会の当日配布資料はこちら [様式:PDF](6.6MB)

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