催し
西の丸御蔵城宝館企画展企画展「家康の謎 名古屋城本丸御殿の黒木書院」
2023年12月23日 ~ 2024年02月25日
趣旨
名古屋城本丸御殿は、徳川家康が九男義直のために建てた広大な御殿でした。華麗な襖絵や金銀の金具で飾られていましたが、最奥の黒木書院は、二部屋のみの小さな建物で、襖絵も水墨主体の地味な仕様でした。それでも、山水図・人物図・花鳥図という当時の規範的な画題がそろっており、格式ある建物の一部であったと考えられます。清須城の家康宿館を移築したという伝承は否定できません。
黒木書院の襖絵は、昭和20年の戦災を耐え、現存します。本展では、黒木書院の襖絵を一挙に展示します。あわせて、清須城からの移築の伝承がある名古屋城西北隅櫓(重要文化財)の関連品も紹介します。
会期
令和5年12月23日(土)~令和6年2月25日(日)
※会期中、展示替えをいたします。展示状況は、出品目録(PDF)にてご確認ください。
会期中は無休(ただし、催事等で変更になる場合があります)
主催
名古屋城総合事務所 名古屋城調査研究センター
主な出品資料
「名古屋城本丸御殿黒木書院 襖絵」(重要文化財)
「五条橋擬宝珠」
「西北隅櫓の当初材」(重要文化財)
いずれも名古屋城総合事務所蔵
黒木書院一之間
くろきしょいんいちのま
戦前に国宝建造物調査の一環として名古屋市が撮影したガラス乾板写真の画像です。黒木書院一之間の床之間と北側を撮影しています。床之間と違棚の壁貼付絵は、昭和20年(1945)5月14日の空襲で御殿とともに焼失しましたが、この写真から雪山を描く周文様の山水図であったことが分かります。
西北隅櫓と天守閣
せいほくすみやぐらとてんしゅかく
名古屋城本丸御殿黒木書院 襖絵 山水図 (部分)
なごやじょうほんまるごてんくろきしょいん ふすまえ さんすいず
重要文化財 江戸時代前期 名古屋城総合事務所蔵
本丸御殿の襖絵は、空襲前の3月末頃に取り外され、城内御深井丸の乃木倉庫に保管されて、焼失を免れました。黒木書院は一之間と二之間からなり、襖絵は計33面が現存します。画題は、一之間が山水(瀟湘八景)、二之間が四季耕作で、各室襖の裏面(廊下側)に雪中柳鷺が描かれています。一之間南の襖です。
五条橋擬宝珠
ごじょうばしぎほうじゅ
江戸時代前期 名古屋城総合事務所蔵
堀川京町筋にかけられていた五条橋(現名古屋市中区丸の内一丁目)の擬宝珠です。清須城下五条橋の擬宝珠が堀川開通時に再利用されました。清州越にかかわる貴重な資料です。
西北隅櫓の当初材
せいほくすみやぐらのとうしょざい
重要文化財 江戸時代前期 名古屋城総合事務所蔵
三層南側妻部破風鰭です。西北隅櫓の三層妻部の破風鰭は、昭和30年代の修理時に南北ともに新規制作され、取り換えられました。創建期の力強い彫りが分かる旧国宝の一部です。