最近では、城に関連したイベントも続々と開催されています。今回は、名古屋城も参加した注目の催しなど、盛り上がりを見せる"お城イベント最前線"のレポートをお届け！

名古屋城の講演も！お城サミット開催前記念イベント

2022年秋には、「ふるさと全国お城サミット」（主催：ふるさと全国県人会まつり実行委員会）が愛知県で開催予定。これに先立ち、2月11日（金・祝）には「お城の魅力発見」をテーマにしたプレイベントがオンラインで行われました。

2022年3月4日読売新聞14面 新聞記事のダウンロードはこちらから

まずは、名古屋城調査研究センターの村木誠副所長のお話からスタート。講演名を「特別史跡名古屋城跡とその文化財」と題し、名古屋城には次の3つの"本質的価値"があると紹介しました。

「御三家筆頭の尾張徳川家の居城であった」

「現存する遺構や詳細な史資料により築城期からの変遷をたどれる」

「現在の名古屋へと続く都市形成のきっかけとなった」

という、それぞれの価値について詳しく解説。「これから"本質的価値"の理解をさらに促進するには、木造復元にも大きな意義がある」と語りました。

続いて、原史彦主査が登壇。「名古屋城の記録」を主題に、名古屋城には、他の城に比べてはるかに多くの資料が残っていると説明しました。かつては復元不可能だと思われていた本丸御殿も、豊富な資料をもとに再建できたといいます。　

2022年3月4日読売新聞15面　新聞記事のダウンロードはこちらから

イベントを締めくくったのは、滋賀県立大学の中井均名誉教授による講演。「より深く楽しむために日本の城鑑賞のポイント2022」として、城の構造や築城の背景、全国各地の城の見どころについてお話しされました。

貴重な講演の記録にふれて、ぜひ、名古屋城の理解を深めてみては？

YouTubeでアーカイブ動画も公開されているので、ぜひチェックを！

「にっぽん城まつり」の会場に潜入！

さて、こちらは、常滑市にある「愛知県国際展示場Aichi Sky Expo」ホール内の様子。この広い会場で、2022年3月19日（土）・20日（日）に「にっぽん城まつり2022　feat.出張!お城EXPO in 愛知」（主催：にっぽん城まつり実行委員会）が開催されました。

全国各地の城のある自治体が多数出展し、お城好きが楽しめるコンテンツが集結。現地に行けなかったという人にも、写真とともに会場の熱気をお届けします！

さまざまな城の情報やグッズが集まる「お城情報エリア」には、愛知のお城観光推進協議会の一員として名古屋市も出展。近世城郭御殿の最高傑作である本丸御殿など名古屋城の魅力をあらためて伝え、"お城観光"のきっかけづくりを進めるため、前年に引き続き2回目の参加となりました。

100分の1スケールの木造復元模型に思わず感嘆

ブースには、名古屋城天守閣の木造復元模型を展示。空襲焼失前に調査した図面などに基づき、大天守と天守台石垣を縮尺100分の1で再現しています。天守台石垣からの高さは約60㎝。

一部は木組みで、内部が見えるようになっています。目を凝らして覗いてみると、柱や梁などの構造まで細かく作り込まれていることに驚き！木造復元後の天守閣に想像が膨らみます。

名古屋城や周辺の城関連スポットの各種パンフレットも設置。立ち寄ってくださった来場者のみなさまに直接お渡ししました。読み物も豊富なので、家に帰ってからもじっくり城の魅力に浸れますね。

お城情報エリアや展示コーナー、グルメ・地酒販売も

会場内には他にも、名古屋市内の大高城跡や桶狭間古戦場史跡、愛知県内の犬山城や岡崎城など、お城情報・歴史情報のブースがたくさん。

トークショーや各地の武将隊による演武が繰り広げられるステージ、学芸員によるお城に関する講演・ワークショップのコーナーもあり、多彩なプログラムが目白押し。武将隊のみなさんがステージから降り、会場内でファンの声援に応えて写真撮影をする様子も見られました。

「お城EXPO」の協力による展示コーナー、城の宝庫である愛知県の城の魅力を紹介するパネル展も見応えたっぷり。来場者のみなさんも真剣に見入っていました。

各地の城の個性豊かな特色・価値に触れられた2日間。城や歴史への注目度の高さが伺え、じわじわとお城好きの輪が広がっていくのを実感しました。

これから暖かくなる季節。愛知県内の個性豊かなお城を巡ってみてはいかがでしょうか。名古屋城へもぜひお立ち寄りください。