催し
西の丸御蔵城宝館展示西の丸御蔵城宝館展示「名古屋城本丸御殿の障壁画―水墨画―」
2026年05月14日 ~ 2026年07月12日
趣旨
名古屋城本丸御殿の障壁画と天井画は、合わせて1049面が現存します。江戸時代に制作された障壁画の多くは建物とともに失われましたが、名古屋城の障壁画の一部は戦火を免れ、現在もその美しさを伝えています。
本丸御殿の最も奥に位置する黒木書院の室内には、「山水図」や「四季耕作図」などの水墨を主体とする障壁画がありました。水墨の山水図は最も格の高い画題であり、墨の濃淡と筆致の変化によって、自然の景物や大気の様子があらわされています。江戸幕府3代将軍・徳川家光(1604~51)の上洛に際して増築された上洛殿は、最も格の高い上段之間の天井画に水墨山水図が多く描かれました。この展示では、格式の高い空間に描かれた水墨の障壁画を紹介します。
また名古屋城や城下町から出土した水墨画の手法にならって絵付けされた碗や山水画をモチーフにした文様を持つ碗などを紹介し、将軍が見た水墨画と江戸時代に広く流通していた日用品に描かれた水墨画的な絵付けとの対比を行います。
会期
令和8年(2026)5月14日(木)~7月12日(日)
※展示状況は、出品目録(PDF)にてご確認ください。
会期中は無休(催事等で変更になる場合があります。)
主催
名古屋城総合事務所 名古屋城調査研究センター
協力
一般財団法人 名古屋城振興協会
主な出品資料
重要文化財 名古屋城本丸御殿障壁画 黒木書院一之間「山水図」 江戸時代前期 名古屋城総合事務所蔵 (前期展示)
重要文化財 名古屋城本丸御殿障壁画 上洛殿上段之間「山水図」 寛永11年(1634) 名古屋城総合事務所蔵 (後期展示)
名古屋城ガラス乾板写真「黒木書院一之間(焼失)西側」 昭和15~16年 (1940~1941) 名古屋城総合事務所蔵

重要文化財 名古屋城本丸御殿障壁画 黒木書院一之間「山水図」
じゅうようぶんかざい なごやじょうほんまるごてんしょうへきが くろきしょいんいちのま「さんすいず」
江戸時代前期 名古屋城総合事務所蔵 ※前期展示
黒木書院一之間にはまっていたこの図には、高くそびえる山とその麓の樹木や小屋が描かれています。主となるモチーフを前後に重ねて奥行きを出し、横へ広がる山脈と水景によって広大な景色を描き出します。水辺の小屋では人物がくつろいでおり、人里の喧騒から離れ、静かでゆったりとした時間が流れます。

重要文化財 名古屋城本丸御殿障壁画 上洛殿上段之間「山水図」
じゅうようぶんかざい なごやじょうほんまるごてんてんじょうが じょうらくでんじょうだんのま「さんすいず」
寛永11年(1634) 名古屋城総合事務所蔵 ※後期展示
上洛殿上段之間の天井画です。最も格の高い上段之間は、二重折り上げ格天井(にじゅうおりあげごうてんじょう)に102面もの天井画がはまり、半数以上にこの図のような水墨山水図が描かれていました。画題の選定にも、部屋の格式の高さがあらわれています。
名古屋城ガラス乾板写真「黒木書院一之間(焼失)西側」
なごやじょうがらすかんぱんしゃしん「くろきしょいんいちのま(しょうしつ)にしがわ」
昭和15~16年(1940~1941) 名古屋城総合事務所所蔵
黒木書院一之間を写すガラス乾板写真です。一之間は書院造で大床と違い棚、天袋を備えます。大床の壁貼付絵にも山水図が描かれていました。画面右下に山間の風景を描き、左上は広く余白を残した対角線に基づく構図をとります。山や岩の輪郭は打ち込みの強い墨線で象(かたど)られ、険しい岩肌は斧皴(ふへきしゅん)とよばれる鋭く勢いのある筆致であらわされます。
※詳しくは、展示解説(PDF)をご覧ください。