催し
西の丸御蔵城宝館企画展企画展「文化財を伝える」
2025年09月06日 ~ 2025年09月28日

趣旨
名古屋城では名古屋城や近世武家文化に関わる文化財を収集、保管、展示しています。時代の変遷の中で名古屋城に残された文化財や、発掘により地中から出土した考古遺物、さらに、市民の皆様によって守り伝えられてきたものなど、多様な文化財を紹介する展示を継続して行っています。
今回の展示では、「銘」のある文化財を取り上げます。
刀剣、金属、焼き物、石などに刻み、書かれるなどして名や由来を伝える「銘」。文化財は、その形や材質などの物質的な特徴からわかることが多くありますが、時にこうした銘が伝える歴史的価値は計り知れないものがあります。こうした銘により伝わる文化財の歴史を紹介します。
会期
令和7年(2025)9月6日(土)~9月28日(日)
※展示状況は、出品目録(PDF)にてご確認ください。
会期中は無休(ただし、催事等で変更になる場合があります)
主催
名古屋城総合事務所
協力
一般財団法人 名古屋城振興協会
出品協力
日本美術刀剣保存協会名古屋支部
主な出品資料
名古屋市指定文化財 「銅擬宝珠」 江戸時代 慶長7年(1602) <参考図版あり>
「銅鬼瓦」 江戸時代 宝暦4年(1754)
重要文化財 「東南隅櫓修理墨書銘板」 江戸時代 宝永7年(1710)
ガラス乾板写真「東南隅櫓東南面」 昭和(20世紀) <参考図版あり>
昭和実測図「名古屋城東南櫓東側姿図」 昭和(20世紀) <参考図版あり>
「石垣銘拓本」 昭和(20世紀)
※いずれも名古屋城総合事務所所蔵
名古屋市指定文化財 「銅擬宝珠」 どうぎぼし
江戸時代 慶長7年(1602) 名古屋城総合事務所所蔵
清須城近くの五条川に架かっていた五条橋の擬宝珠です。名古屋に城を築いた清州越しの時に、堀川に五条橋とともに移されました。「慶長七年壬刁(みずのえのとら)」「五条橋」の銘が刻まれています。昭和13年(1938)の五条橋の架け替えで取り外されました。清州越しを物語る実物資料はほとんどなく、貴重な資料です。
ガラス乾板写真「東南隅櫓東南面」
がらすかんぱんしゃしん「とうなんすみやぐらとうなんめん」
昭和(20世紀) 名古屋城総合事務所所蔵
名古屋市は、昭和15年(1940)から翌年にかけて、名古屋城内の当時の国宝だった建物24棟の写真撮影を行いました。撮影に用いられたガラス乾板は、ガラスに感光剤を塗布したもので、写真フィルムに相当します。
東南隅櫓は、昭和20年(1945)の空襲による焼失をまぬがれた旧国宝の建造物です。名古屋城の創建時に本丸の東南の防御の要として造営され、現在に至るまでその姿を留めています。 昭和27年(1952) から翌年にかけて行われた解体修理工事の際に、宝永7年(1710)の修理に関する銘板や瓦が発見され、江戸時代の修理の実態の一部が明らかになりました。
昭和実測図「名古屋城東南櫓東側姿図」
しょうわじっそくず「なごやじょうとうなんやぐらひがしがわすがたず」
昭和(20世紀) 名古屋城総合事務所所蔵
名古屋市は昭和5年(1930)から名古屋城の管理を行っています。国宝となっていた天守などの建物の保存に役立てるため、実測調査を昭和7年(1932)から昭和17年度(1942)まで行い、図面の清書を昭和27年度(1952)に終えました。この昭和実測図は、昭和34年(1959)完成のコンクリートによる再建天守や現在行っている木造による本丸御殿と天守の復元事業の基本資料となっています。
※本サイト内の「昭和実測図 閲覧サービス」(https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/20_etsuran/)もあわせてご覧ください。