催し

西の丸御蔵城宝館企画展

企画展「名品でたどる名古屋城史 創建・戦災・そして明日」

2025年03月07日 ~ 2025年04月20日

企画展「名品でたどる名古屋城史 創建・戦災・そして明日」の画像

趣旨

 名古屋城は、江戸時代初期に創建され、明治以降は皇室の離宮となり、その後名古屋市に下賜されました。第二次世界大戦末期の空襲により主要建造物を失いましたが、戦後再建された天守閣は博物館機能をあわせもち、市民の皆様から貴重な資料をご寄贈いただき、修理しつつ保管してきました。
 今回の展示では、本丸御殿を飾っていた障壁画はじめ、天皇の御料品など名古屋城の近代を語る資料、またご寄贈資料の名品を公開します。なかでも「信長関係染織資料」は、令和5年度の修理完了後今回がはじめての展示となります。あわせて、令和6年度に全700面の修理が完了する重要文化財本丸御殿天井板絵の修理過程を紹介します。

会期

令和7年(2025)3月7日(金)~4月20日(日)

※展示状況は、出品目録(PDF)にてご確認ください。

会期中は無休(ただし、催事等で変更になる場合があります)

主催

名古屋城総合事務所 名古屋城調査研究センター

協力

一般財団法人 名古屋城振興協会

主な出品資料

出品目録(PDF)

重要文化財 名古屋城本丸御殿障壁画 「竹林豹虎図襖絵」 慶長19年(1614)4面中2面


重要文化財 名古屋城本丸御殿障壁画 「扇面流図襖絵」 寛永11年(1634)4面


重要文化財 名古屋城本丸御殿天井板絵 寛永11年(1634)


「萌黄四ツ目菱斜格子緞子地木瓜紋鎧下着」 江戸時代初期


卓被 天皇御料品 明治~大正


「黒漆塗菊紋散椅子」 皇后・皇太后御料品 明治~大正


※いずれも名古屋城総合事務所蔵

竹林豹虎図(2面).jpg

重要文化財 名古屋城本丸御殿障壁画 「竹林豹虎図襖絵」 ちくりんひょうこずふすまえ
玄関一之間東側(一之間・二之間境) 4面のうち中央2面 慶長19年(1614) 名古屋城総合事務所蔵

 本丸御殿の正規の玄関を飾る襖絵です。竹林で遊ぶ虎と豹を描いています。虎は日本には生息しない異国の珍獣で、来城者を威圧しつつ城内の者を護る存在として、しばしば御殿の玄関に描かれました。名古屋城本丸御殿の襖絵は、繊細優美な筆使いを駆使する名品として知られています。

扇面流図襖絵.jpg

重要文化財 名古屋城本丸御殿障壁画 「扇面流図襖絵」 せんめんながしずふすまえ
御湯殿書院一之間北側(一之間・二之間境) 4面 寛永11年(1634) 名古屋城総合事務所蔵         ※図版は4面のうち2面

 御湯殿書院の襖絵です。御湯殿書院は、釜で湯を沸かす蒸し風呂の風呂場(湯殿)に接しており、風呂からあがった将軍の休憩の間として用いられました。川面に扇がただよう扇面流図は中世以来の伝統的な大和絵画題であり、江戸期の狩野派は私的な内向きの殿舎の装飾にしばしば用いています。 
 御湯殿書院は、明治以降名古屋城が天皇・皇后の宿泊施設とされたとき、皇后の御座所として用いられました。襖絵の雅やかな風情が好まれたと考えられます。

卓被.jpg

「七宝文卓被」 しっぽうもんたくひ
1枚 明治~大正 名古屋城総合事務所蔵

 龍、鳳凰、菊、桐という天皇の象徴を七宝繋文の中に織りこんだ華やかな卓被(テーブルクロス)です。明治から昭和初年の名古屋離宮期に天皇御座所において机に掛けて用いられました。昭和5年、名古屋離宮が名古屋市に下賜されたとき、あわせて名古屋市に下賜され、天皇御料品として大切に保管されたため戦災焼失を免れました。