催し
西の丸御蔵城宝館企画展企画展「名古屋城と名古屋まつり」
2024年10月19日 ~ 2024年12月15日
趣旨
江戸時代の名古屋城下では、東照宮祭礼をはじめとする祭礼があり、からくり人形をのせた山車が繰り広げられました。第二次世界大戦により大半の山車が焼失しましたが、名古屋まつりという名称のもと、秋の名古屋のお祭として市民に親しまれています。
名古屋東照宮の御神宝をはじめ、江戸時代の祭の賑わいを描く絵巻などを展示し、今につながる市民の楽しみを紹介します。
会期
令和6年10月19日(土)~12月15日(日) (最終入館16:00)
会期中は無休(ただし、催事等で変更になる場合があります)
主催
名古屋城総合事務所
協力
一般財団法人 名古屋城振興協会
主な出品資料
「太刀 銘 国行 付 桐葵紋散糸巻太刀拵」 名古屋東照宮伝来 鎌倉時代中期 拵 江戸時代前期 名古屋市博物館蔵
「東照宮祭礼図巻」 7巻 森高雅 筆 文政5年(1822) 名古屋市博物館蔵
「享元絵巻」 1巻 江戸時代中期 名古屋城総合事務所蔵
太刀 銘 国行 付 桐葵紋散糸巻太刀拵
たち めい くにゆき つけたり きりあおいもんちらしいとまきたちこしらえ
名古屋東照宮伝来 鎌倉時代中期 拵 江戸時代前期 名古屋市博物館蔵
名古屋東照宮の御神宝として知られる三振の太刀のひとつです。国行は、山城国来派の祖で、鎌倉時代中期に活躍したとされています。遺品の多くは太刀で、十振以上が国宝や重要文化財に指定されています。桐葵紋を散した糸巻太刀拵と、葵紋と桐紋をあらわす鍔が付属し、名古屋東照宮宝物台帳や『張州雜志』の記述と一致します。
「東照宮祭礼図巻」(部分)
とうしょうぐうさいれいずかん
森高雅筆 文政5年(1822) 名古屋市博物館蔵
尾張藩十代藩主斉朝の命により東照宮祭の行列図を描くことになった森高雅が、斉朝に提出した伺下絵です。第1巻は名古屋城内の大天守や隅櫓を描いています。完成品の徳川美術館蔵「東照宮祭礼図巻」9巻本に名古屋城内の図はなく、貴重です。彩色のある巻、簡略な墨線だけの巻など、巻によって完成度に差があり、下絵制作の過程が分かります。
「享元絵巻」(部分)
きょうげんえまき
江戸時代中期 名古屋城総合事務所蔵
尾張藩七代藩主宗春は、藩士の芝居見物を許すなど、規制を緩め消費を奨励しました。本町通沿いに芝居小屋や料理屋が立ち並び、老若男女の娯楽の場として賑わいましたが、行き過ぎた規制緩和を幕府から咎められ、緩和を改めました。
宗春が治世を開始した享保16年(1731)から規制強化に転じた元文元年(1736)までの広小路本町から南の地域の繁栄を描いています。箱蓋表に「享元絵巻」と記す貼紙があり、この名で知られてきました。