催し
西の丸御蔵城宝館企画展企画展「文化財を伝える」
2024年09月14日 ~ 2024年10月14日

趣旨
名古屋城では名古屋城や近世武家文化に関わる資料を継続的に収集、保管しています。こうした資料は、時代の変遷の中で様々な人によって残されたものや、さらに、市民の皆様によって守り伝えられてきたものもあります。
焼失前の名古屋城を記録したガラス乾板写真や昭和実測図は、当時の人々が名古屋城を後世に伝えるために作成したものです。このおかげで、戦後の高い水準での修理や整備・復元事業が可能となっています。
また、刀剣は近世武家文化を語るうえで欠かせない資料であり、その保存と継承を目的として活動する日本美術刀剣保存協会名古屋支部の会員が所蔵する刀剣類を紹介します。
文化財は多様な人々の思いと活動により守り伝えられます。そうした一端を紹介します。
会期
令和6年9月14日(土)~10月14日(月・祝)
※展示状況は、出品目録(PDF)にてご確認ください。
会期中は無休(ただし、催事等で変更になる場合があります)
主催
名古屋城総合事務所
出品協力
日本美術刀剣保存協会名古屋支部
主な出品資料
ガラス乾板写真「本丸敷地内建造物(焼失)俯瞰」 昭和時代 25.4×30.5cm 名古屋城総合事務所蔵
昭和実測図「名古屋城御殿玄関車寄大廊下南側立面図」 昭和時代 68.0×98.5cm 名古屋城総合事務所蔵
「短刀 銘 貞國 筑州住」 南北朝時代 7寸7分2厘(23.4cm) 個人蔵
ガラス乾板写真「本丸敷地内建造物(焼失)俯瞰」
がらすかんぱんしゃしん「ほんまるしきちないけんぞうぶつ(しょうしつ)ふかん」
昭和時代
名古屋市は、昭和15年(1940)から翌年にかけて、名古屋城内の当時の国宝だった建物24棟の写真撮影を行いました。撮影に用いられたガラス乾板は、ガラスに感光剤を塗布したもので、写真フィルムに相当します。ガラスは割れやすく重いものの、ゆがみが少なく、フィルムよりも高画質です。
左に表一之門、右の玄関から本丸御殿の屋根が連なり、奥に小天守と大天守が立ち上がっています。これらの建物は昭和20年5月14日の空襲で焼失しました。
昭和実測図「名古屋城御殿玄関車寄大廊下南側立面図」
しょうわじっそくず「なごやじょうてんしゅみなみがわりつめんず」
昭和時代
名古屋市は昭和5年(1930)から名古屋城の管理を行っています。国宝となっていた天守などの建物の保存に役立てるため、実測調査を昭和7年(1932)から昭和17年度(1942)まで行い、図面の清書を昭和27年度(1952)に終えました。この昭和実測図は、昭和34年(1959)完成のコンクリートによる再建天守や現在行っている木造による本丸御殿と天守の復元事業の基本資料となっています。
本丸御殿の南側にある玄関とそれに続く廊下を正面から描いています。
※本サイト内の「昭和実測図 閲覧サービス」(https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/20_etsuran/)もあわせてご覧ください。