催し

西の丸御蔵城宝館企画展

特別展 「家康と名古屋東照宮」

2023年10月17日 ~ 2023年12月17日

特別展 「家康と名古屋東照宮」の画像

趣旨

 元和2年(1616)4月17日、徳川家康がなくなりました。家康九男で名古屋城主であった徳川義直は、元和5年(1619)9月17日、名古屋城三の丸に家康をまつる東照宮を建立しました。この名古屋東照宮は、明治維新後も三の丸南の現在地に移築されて存続し、昭和10年には本殿、拝殿、唐門などが国宝に指定されました。
 国宝建造物の大半は、昭和20年(1945)5月14日の名古屋城を襲った空襲により焼失しましたが、宝物類は焼失を免れました。今回の特別展では、家康と名古屋城にゆかりの深い名古屋東照宮の名宝を一堂に公開します。大半が今回初公開の逸品であり、東照宮祭の資料も多数展示します。

会期

令和5年10月17日(火)~12月17日(日)

※会期中、展示替えをいたします。展示状況は、出品目録(PDF)にてご確認ください。

会期中は無休(ただし、催事等で変更になる場合があります)

主催

主催 : 名古屋城総合事務所 名古屋城調査研究センター 

特別協力 : 名古屋東照宮

主な出品資料

出品目録(PDF)

「道中宿付 徳川家康自筆」 1通(2葉)

「徳川家康画像」 1 幅

「東照宮祭礼 山車人形頭 判官」 1頭

「東照宮祭礼図巻 巻四(部分)」 1巻

「東照宮祭礼 神旗」 1旗

※いずれも名古屋東照宮所蔵、名古屋城総合事務所寄託

道中宿付 徳川家康自筆 _無害化済.jpg

道中宿付
どうちゅうしゅくつけ
宿付2枚 徳川家康筆 江戸時代前期
名古屋東照宮所蔵 名古屋城総合事務所寄託

駿府から江戸へ至る旅行日程を記した家康自筆の文書です。家康は慶長十年(1605)に将軍職を息子の秀忠に譲り、同十二年に駿府城へ隠居します。これ以降毎年のように駿府から江戸へ下向し、その道すがら、あるいは江戸へ到着後関東所々で、放鷹を行いました。家康自筆の道中宿付は、この時期のものが数点現存しており、そのひとつです。

徳川家康画像(部分) _無害化済.jpg

徳川家康画像 (部分)
とくがわいえやすがぞう (ぶぶん)
1幅 徳川義直筆 江戸時代前期
名古屋東照宮所蔵 名古屋城総合事務所寄託

威厳ある風貌の家康画像です。背景はありません。家康第九男で初代尾張藩主となった徳川義直の筆として東照宮に伝えられてきました。きわめて巧みで、専門画家の補佐を受けたものと考えられます。

東照宮祭礼 山車人形頭 判官 _無害化済.jpg

山車人形頭 下七間町 判官
だしにんぎょうかしら しもしちけんちょう ほうがん
1頭 江戸時代前期
名古屋東照宮所蔵 名古屋城総合事務所寄託

東照宮祭礼で用いられた下七間町の山車「橋弁慶車」の人形「判官」の頭です。涼やかな目元や笑みを含む口元は神々しく、江戸時代前半にさかのぼり得る優美な頭です。
高力猿猴庵著『尾張年中行事絵抄』や桑山好之著『金鱗九十九之塵』によると、若狭の名人形師出目法眼の作で、二代藩主光友の寄進ともされ、普段は御神体の如く秘蔵され、祭礼直前の三日間のみ下七間町の車宿で開帳されたといいます。

東照宮祭礼 神旗 _無害化済.jpg

神旗のうち 朱雀
しんきのうち すざく
1旗 江戸時代後期
名古屋東照宮所蔵 名古屋城総合事務所寄託

東照宮祭礼の主要神事である神輿渡御に随行した神旗のひとつです。朱雀は、南を護る聖鳥。頭が三つ、足が三本の鳳凰に似た鳥が、赤い翼を広げる姿として描かれています。絵を描いた木綿裂表裏二枚を太い糸で刺子し縫い合わせ、周囲の鰭として赤く塗った布を紙で裏打ちし、縁で縫い合わせています。棒を通すための乳も縫いつけられています。