催し

西の丸御蔵城宝館企画展

企画展「尾張ゆかりの甲冑・刀剣」

2023年06月26日 ~ 2023年09月03日

企画展「尾張ゆかりの甲冑・刀剣」の画像

趣旨

 甲冑・刀剣は武士にとって必須の備え武具であると同時に、武家の格式を示す道具です。尾張徳川家が治めた濃尾の地においても、御三家筆頭の領地に相応しい甲冑・刀剣の優品が伝えられています。

 本展では、名古屋城コレクションの尾張ゆかりの甲冑・刀剣を中心にして、武家の備えの美を紹介します。

会期

令和5年 6月26日(月)~9月3日(日)

※会期中、展示替えをいたします。展示状況は、出品目録(PDF)にてご確認ください。

会期中は無休(ただし、催事等で変更になる場合があります)

主催

名古屋城総合事務所 名古屋城調査研究センター 

主な出品資料

出品目録(PDF)

「黒漆塗十二間総覆輪筋兜」 石河家伝来 南北朝時代 14世紀


「太刀 無銘」 石河家伝来 室町時代 16世紀


「短刀 銘 若狭守氏房 天正三年五月日」 桃山時代・天正3年(1575)


「紺糸威二枚胴具足・鉄錆地六十二間筋兜」 丹羽家伝来 江戸時代 17世紀


「勝色糸威胴丸具足・鉄地金箔貼変り兜」 赤目横井家伝来 江戸時代

いずれも名古屋城総合事務所蔵

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紺糸威二枚胴具足・鉄錆地六十二間筋兜
こんいとおどしにまいどうぐそく・てつさびじろくじゅうにけんすじかぶと
丹羽家伝来 江戸時代 17世紀
名古屋城総合事務所蔵

全体を紺糸で威して色彩を統一し、金具も丁寧な造りとした上級武士の具足です。兜の前立は鯱を象り、尾張名古屋に相応しい意匠としていますが、後補の可能性があります。胴裏に金工師・市口河内による宝永元年(1704)の修理銘、兜の鉢裏に天文2年(1533)の製作銘があります。

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太刀 無銘
たち むめい
石河家伝来 室町時代 16世紀
名古屋城総合事務所蔵

尾張藩で家老職を歴任した石河家伝来の太刀です。大磨上で銘を欠き、切先も研ぎ減らしがあって、折れた可能性も指摘されています。元の形状は大太刀だったとも考えられます。鎬も高めで、美濃関の刀工・陸奥守大道作とも考えられますが、今後の検討を要します。

短刀 銘 若狭守氏房_ kishi-30_w_350ppi - 横_無害化済.jpg

短刀 銘 若狭守氏房 天正三年五月日
たんとう めい わかさのかみうじふさ
桃山時代・天正3年(1575)
名古屋城総合事務所蔵

若狭守氏房は織田信長の御用鍛冶を勤めた刀工です。美濃国関(現・岐阜県)の鍛冶で岐阜城下において鍛刀したと伝わります。本作が作られた天正3年(1575)、信長は長篠合戦で武田勝頼勢に勝利し、右近衛大将に任じられました。子の飛騨守氏房は、信長歿後に尾張国(現・愛知県)を領した豊臣秀次に仕え、相模守政常・伯耆守信高とともに「尾張三作」と讃えられる名工となりました。記年銘がある氏房作刀剣の中では最古級のものです。