催し
西の丸御蔵城宝館企画展特別展「家康とお嫁様 名古屋城と春姫お輿入れ」
2023年03月18日 ~ 2023年06月18日
趣旨
慶長20年(1615)、初代名古屋城主義直のもとに、紀州和歌山城主浅野幸長の娘春姫が嫁ぎました。義直の父家康は、婚儀を見届けてから、大坂夏の陣にむけ出陣します。
本展では、婚儀の場となった名古屋城本丸御殿の重要文化財障壁画はじめ、春姫や家康・義直にまつわる逸品を展示します。
会期
令和5年3月18日(土)~6月18日(日)
※会期中、展示替えをいたします。展示状況は、出品目録(PDF)にてご確認ください。
会期中は無休(ただし、催事等で変更になる場合があります)
主催
名古屋城総合事務所 名古屋城調査研究センター
主な出品資料
「重要文化財名古屋城本丸御殿対面所「風俗図」障壁画」 名古屋城総合事務所蔵
「稲富流鉄砲伝書」 慶長5年奥書 浅野家伝来 岐阜関ケ原古戦場記念館蔵
「黒漆塗葵紋唐草文金蒔絵女乗物」 名古屋城総合事務所蔵
「長谷寺観桜図屏風」 個人蔵
「風俗図」 名古屋市博物館蔵
「黒漆塗葵紋若松唐草文金蒔絵桐長持」 名古屋城振興協会蔵
など
重要文化財
名古屋城本丸御殿対面所障壁画 風俗図〔門付〕
なごやじょうほんまるごてんたいめんじょしょうへきが ふうぞくず かどつき
名古屋城本丸御殿対面所次之間 東側舞良戸 4面
次之間・東入側境 34
慶長19年(1614) 名古屋城総合事務所蔵
対面所は、畳敷きの入側(廊下)で囲まれ、室内と入側との境に、舞良戸や腰障子と呼ばれる建具がはめこまれていました。舞良戸は、入側側(裏面)が総板戸で、室内側(表面)に風俗図と総称される絵が貼られています。
展示資料は次之間東側の舞良戸。千秋万歳の門付、綱引き、注連縄作り、髪結、見世物など、迎春準備と新春行事が描かれています。左に広がる海は、春姫故郷の和歌の浦と考えられています。
風俗図〔綱引〕 ふうぞくず つなひき
2幅のうち1幅
江戸時代前期 名古屋市博物館蔵
名古屋の旧家に伝来し、近年名古屋市博物館に寄贈された風俗図。紙継があり、襖絵か屏風の断簡と考えられます。
展示の軸には、男子の綱引きと家を回って門付をする万歳師が描かれ、正月の景と考えられます。二重の目元、尖った足先、なだらかな金雲などは、名古屋城対面所障壁画に類似しますが、筆致がやや硬く、人物の動きも軽やかさに欠けています。対面所筆者と近い工房画人の作で、制作時期も同じ頃か、下ってもわずかな差と推測されます。
葵紋黒漆塗唐草文金蒔絵女乗物
あおいもんくろうるしぬりからくさもんきんまきえおんなのりもの
江戸時代後期
名古屋城総合事務所蔵
名古屋の旧家に伝わり、近年名古屋城に寄贈していただいた女乗物。女乗物とは、高位の女性が用いた駕篭のことです。
室内には極彩色で松、竹、梅、鶴など吉祥的な花鳥を描き、天井は格天井とし様々な花で埋め尽くしています。外側の屋根や正面上部には葵紋金具を打ち、また金蒔絵により葵紋を四周に表しています。
蒔絵の葵紋は形式化した幕末期の形ですが、金具の葵紋は、茎が優しい曲線を描くなどやや古い形式となります。
旧国宝