催し
西の丸御蔵城宝館企画展企画展「家康とごはん 名古屋城でいただきます」(終了しました)
2023年01月01日 ~ 2023年03月05日

趣旨
名古屋城は、徳川家康が息子義直のために建てた城です。家康は何度も名古屋城を訪れ、慶長20年(1615)4月には、本丸御殿での義直と春姫の婚儀を見届けた上で、大坂夏の陣に向け名古屋城を出発しました。
その後も名古屋城は、時の将軍はじめ多くの貴人を迎え入れ、家臣を含めた饗応や宴の場ともなりました。
この展覧会では、本丸御殿で饗応膳を準備した上御膳所の障壁画はじめ、食にまつわる名古屋城伝来品の数々を紹介いたします。
会期
令和5年1月1日(日)~3月5日(日)
※会期中、一部展示替えをいたします。
会期中は無休(ただし、催事等で変更になる場合があります)
主催
名古屋城総合事務所 名古屋城調査研究センター
主な出品資料
「重要文化財 名古屋城本丸御殿 表書院襖絵 松竹禽鳥図襖絵・桜花雉子図襖絵」
名古屋城総合事務所蔵
「東照宮縁起絵巻」 名古屋東照宮蔵
「出陣之心得之事」・「御蒸菓子御見本」 名古屋市蓬左文庫蔵
「祝膳品書」 名古屋城総合事務所蔵
「葵紋銀膳」 名古屋城振興協会蔵
「嘉永六年藩侯御招待ノ時ノ記録」 個人蔵
など
重要文化財
松竹禽鳥図襖絵 まつたけきんちょうずふすまえ
名古屋城本丸御殿表書院上段之間南側襖
慶長19年(1614) 名古屋城総合事務所蔵
表書院上段之間の南面を飾っていた襖絵。表書院は、大広間とも呼ばれ、公式の儀式が行われる建物です。中でも上段之間は、他四室より畳面が一段高く、表書院のうち最上格の部屋となっていました。家康など将軍家の人々が本丸御殿を訪れたり、尾張藩主が家臣を引見したりする場合、最上位の貴人が坐すのは上段之間の上座、すなわち北側であり、貴人はまさにこの襖に相対したことになります。
東照宮縁起絵巻 巻二 【勅使饗応】 (部分)
とうしょうぐうえんぎえまき まきに ちょくしきょうおう
寛政6年(1794) 名古屋東照宮蔵
巻二は、関ケ原合戦と大坂夏の陣の勝利により家康が天下を掌握し、元和2年(1616)、太政大臣宣下を受けるまでを描きます。
右は、駿府城を訪れた後水尾天皇の勅使三人が大広間下段之間に並び、上段之間に座す大御所家康と二代将軍秀忠に挨拶する場面。その左は、場を替え秀忠が勅使に饗応の膳をふるまう場面。
海山の御馳走を高く盛った本膳・一の膳・二の膳がならびます。二の膳には、大きな伊勢海老がのっており、床の間には掛軸と立花が飾られています。
祝膳復元
いわいぜんふくげん
名古屋城総合事務所蔵
寛政10年(1798)4月、江戸の尾張藩上屋敷で行われた、のちの十代藩主斉朝(なりとも)の養子入りを祝う食膳の一部を復元したものです。
本膳の膾(生の魚)は、赤貝と鯛のお刺身に細く切った栗や葉物をあしらい、金柑の実を添えています。汁は、四角に切ったはんぺいに、ゴボウと葉のついた小大根を入れたおすまし。三の膳の汁は赤味噌で、貝割菜を散らしています。お向うは鰻と鯛の焼物。鰻は、お武家ですから開かずに筒切りです。
魚を主体に、季節の薬味や野菜をたくさん使った、いかにもおいしそうな御膳です。
旧国宝