催し
イベントアーカイブ名古屋城三の丸遺跡 -調査成果から土地の移り変わりを考える-
2025年11月22日
名古屋城三の丸遺跡は20地点程度の発掘調査が実施されています。江戸時代には尾張藩士の屋敷地だったため、発掘調査によって多くの遺構・遺物が出土しました。今回の講座ではその成果の一部とそれらがどのように移り変わってきたのかを紹介します。
日時
2025年11月22日(土)10時〜11時30分
会場
本丸御殿孔雀之間(本丸御殿ミュージアムショップ前で受付)
※会場は和室のため、座布団にご着席いただきます。机の用意はございません。
講師
濵﨑 健 / 名古屋市教育委員会文化財保護課 学芸員
料金
無料(別途、名古屋城入場料が必要です)
定員
35人
申込方法
9月10日(水)10:00から大ナゴヤ大学HP内ページ よりお申し込みください。
当日スケジュール
9:30 受付
10:00 講座開始
11:30 終了
主催:名古屋市(名古屋城総合事務所)
運営:大ナゴヤ大学
2025年11月22日、城子屋「名古屋城三の丸遺跡―調査成果から土地の移り変わりを考える―」が、本丸御殿孔雀之間で開催されました。講師は、名古屋市教育委員会文化財保護課 学芸員の濱﨑健さん。名古屋城三の丸遺跡の発掘調査の成果と、そこから見えてくる土地のありさまの変化についてお話しいただきました。
名古屋城三の丸遺跡は、現在の名古屋市中区三の丸に位置する、名古屋城外堀内側の曲輪にあたる三之丸のほぼ全域を対象としています。江戸時代だけでなく、弥生時代、古墳時代、古代、近世、近代までの遺構が残る複合遺跡です。1987年から現在まで、約20箇所の発掘調査が行われてきました。
前半は、主に第1次、第3次の発掘調査について。現在の名古屋市公館あたりから江戸時代の遺構・遺物が大量に出土しました。幅約8mの道路や道を横断する溝の遺構から、かつてどのように区画が整理されていたかが分かるそうです。さらに、それぞれの敷地を拝領したのが誰だったか、その変遷にも触れられます。江戸時代の名古屋城近辺の様子が、どのような遺構を手がかりに鮮明にされていくのか、具体的な事例を踏まえて理解を深められました。
後半は、2016年から実施された第12次発掘調査が取り上げられます。調査区の西側は附家老竹腰家の敷地であり、関連する成果が期待されました。結果、御太鼓櫓筋(おんたいこやぐらすじ)とされる道路状遺構や、屋敷の地下室と思われる大型の土坑などが出土。御太鼓櫓筋は、二之丸にあった太鼓櫓から南へ伸びる道であり、遺構から道幅などが明らかになりました。各時代の絵図の比較も示され、とりわけ幕末の絵図を見ると、おおよその区割りは現在と同様でありつつも、道路の幅が広がっていることが分かります。
道路状遺構が出土したのは、この第1次、第3次、第12次の調査のみ。道路の位置が大きく変化していない場所も多いため、道路状遺構が確認されるのは稀だといいます。道路や溝などが検出されれば、かつての土地の境目がうかがえ、空間を再現できます。そして、区割りに基づいて遺物を分析することで、当時の生活や経済の状況への解像度が高くなるのです。
全国的にも江戸時代の発掘調査が始まってから50年程度だそうです。なかなか知る機会のない発掘調査について、成果を詳しく聞きながら、その意義を実感する機会になったのではないでしょうか。
カメラ・レポート/小林優太