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名勝名古屋城二之丸庭園の「タタキ(三和土)」

2024年11月24日

名勝名古屋城二之丸庭園の「タタキ(三和土)」の画像

今回取り上げるのは、名古屋城の各所のタタキ(三和土)。
タタキと聞くと住居の玄関や土間をイメージしますが、庭園の園路などにもタタキは用いられています。
先生を務めるのは、近世の庭園を専門に二之丸庭園の発掘調査と考古学的研究に従事する名古屋城調査研究センター学芸員の高橋圭也さん。
漆喰の施工方法や種類についてまとめ、特にタタキが多用されている二之丸でタタキの施工方法と施工年代を検討します。

日時

2024年11月24日(日)10時〜11時30分

会場

本丸御殿孔雀之間(本丸御殿ミュージアムショップ前で受付)
※会場は和室のため、座布団にご着席いただきます。机の用意はございません。

講師

高橋 圭也 / 名古屋城調査研究センター 学芸員

料金

無料(別途、名古屋城入場料が必要)

定員

35人

申込方法

大ナゴヤ大学HP内ページ よりお申し込みください。

当日スケジュール

9:30 受付
10:00 講座開始 
11:30 終了

主催:名古屋市(名古屋城総合事務所)
運営:大ナゴヤ大学

2024年11月24日、城子屋「名勝名古屋城二之丸庭園の「タタキ(三和土)」」が、本丸御殿孔雀の間で開かれました。講師は、名古屋城調査研究センター学芸員の高橋圭也さん。名古屋城内の発掘調査によって見つかった「タタキ」の遺構についてお話を聞きました。

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そもそも「タタキ」とは。あまり馴染みのない言葉かもしれません。「タタキ」は、砂や土と石灰を混ぜ合わせて叩き締めたもののこと。その名の通り、硬く頑丈にするために槌などで叩いてつくられます。漆喰とは異なり、繊維材などのつなぎを含まず、壁に塗り込められるものではありません。タタキは火や水に強く、夏は涼しく冬は温かい建物ができるといいます。酒蔵や寺院などにも使われてきました。

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名古屋城では、城内各所からタタキ遺構が出土しています。今回の講座では、34の遺構の一覧が配布されました。高橋さんは、これらのタタキを機能、装飾、用いられた空間によって分類しています。機能面からみると、「硬化面形成機能」「道路・園路機能」「耐水機能」に分けられ、異なる役割を果たしていたことが窺えるそうです。さらに、装飾の有無や、屋内外どこで見つかったかによって、それぞれのタタキの特徴がみえてきます。つくられた時期も、江戸時代から昭和までさまざまです。

とりわけ、二之丸庭園では数々の多様なタタキ遺構が出土しています。例えば、二之丸庭園の北池は、池底と池護岸がタタキで施行された上に、石や木を模した装飾としてのタタキも確認されています。あるいは、二之丸の北側には、タタキを積み重ねた塀も。タタキ遺構として数えられるものの内容は実に多彩です。

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名古屋城の構造物や庭園がどのような素材、方法でつくられているのか。詳しく学ぶ機会は決して多くはないでしょう。参加者のみなさんは、タタキというものを知ったことで、場内を巡る際の視点と楽しみが増えたのではないかと思います。

カメラ・レポート/小林優太