資料6 36ページ 名古屋城天守閣整備事業における当事者参画によるバリアフリー検討の進め方 全体方針 「建設的対話の進め方」の区分 ・木造天守全体のバリアフリーを進める ・公募や当事者とのワークショップを経て選定した昇降設備については、史実性との両立を図りながら、可能な限り上層階までの設置を目指して検討を進める ・建設的対話を通じて、どうしたら実現可能かを検討し、相互理解のもと方針を決定する ・基本計画・設計段階だけでなく、木造天守完成に向けて、管理・運用面の観点を含め、継続的・段階的に建設的対話を行う 「市内部の共通認識」の区分 ・市長、3副市長、観光文化交流局、健康福祉局はじめ関係局による十分な調整・議論を重ね、市としての共通認識のもと進める 「正しい情報発信」の区分 ・バリアフリーの実現は全ての人の人権につながることであるという認識のもと、行政として、木造天守のバリアフリーを推進するという姿勢を明確に示し、新たな対立を生まないよう、正しい情報発信を行いながら丁寧に進める バリアフリー整備相談支援事業の運用方法 「丁寧に対話を行うための開催方法」の区分 ・より丁寧に対話を行う必要があるため、月1回の定例会とは別に臨時会として単独で開催するなど、十分な対話の時間を確保する 「出席者の範囲」の区分 ・出席者は、原則固定としているが、天守閣整備事業については、変更及び追加可能とする ・当事者の意見・要望を直接伝えるため、必要に応じて、設計・施工事業者等も参加する 資料6 参考 37ページ 名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について(概要) 1 総括の目的 令和6年9月18日に示された「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」の最終報告を観光文化交流局として受け止め、今後、二度と同様の問題や更なる問題を起こさないよう、天守閣整備事業全体の振り返りを行い、事業を進める上での基本的な方針、再発防止策を含む今後の事業の進め方を示します 2 最終報告に対する当局の受け止め ・最終報告の指摘事項を全て真摯に受け止め、改めて深く反省するとともに、十分に理解を深め、今後の事業につなげていかなければならないと決意します ・「表現の自由も、すべての市民が等しく基本的人権を有するかけがえのない個人として尊重されることが前提である」ことを心に刻み、関係局と連携し、信頼回復につながる取り組みを確実に実施します ・「人権感覚の希薄さ」の指摘を重く受け止め、障害者や高齢者をはじめ配慮を必要とする当事者(以下「障害者等当事者」という。)への人権に対する配慮については、十分な検討が必要と感じています ・再発防止に向けては、最終報告の提言事項が、全ての基礎となる重要な取り組みと認識しています ・人権に関する責任者である人権監理者を中心として、職員一人ひとりが主体的に適切な判断を行うことができるよう取り組みます ・市民の信頼を大きく損なったことを肝に銘じ、失った信頼の回復につながるよう、指摘事項を十分に理解し、再発防止を図り、将来にわたっていかしてまいります 38ページ 3 天守閣整備事業の振り返り (1) 振り返りの方法 本事業を進める中で直面し、対応してきた課題から、対象事象を選定し、過去の担当者への聞き取りを踏まえて行う評価・検討において、最終報告の指摘事項との関係性を確認しつつ、その原因を推定しました (2) 天守閣整備事業の展開に大きな影響を及ぼした事象 対象事象1 文化庁の見解に対する誤った認識と不十分な議会報告 該当年度は平成25年度から平成27年度まで 対象事象2 木造復元に係る関連議案の継続審査につながる調査検討不足 該当年度は平成27年度から平成28年度まで 対象事象3 石垣保存方針とりまとめに向けた石垣調査・体制不足 該当年度は平成29年度から平成30年度まで 対象事象4 現天守閣解体申請の継続審議につながる調査検討不足 該当年度は平成30年度から令和4年度まで 対象事象5 エレベーター不設置方針に係る障害者等当事者への説明不足 該当年度は平成29年度から平成30年度まで 対象事象6 公募で選定した昇降設備の設置方針に係る市内部の調整不足 該当年度は令和3年度から令和4年度まで 39ページ 4 原因の整理とまとめ (1) 事業の進め方に直接関わるもの(原因の根底) 「市内部の調整不足」の区分 木造復元の解釈のほかに、様々な認識の不一致が市内部で生じていました 「人権感覚の希薄」の区分 バリアフリーの実現が障害者にとって人権問題であるという認識が十分ではなく、障害者等当事者と対話する姿勢が欠けていました 「史跡整備の経験不足」の区分 特別史跡名古屋城跡の本質的価値は石垣等の遺構であることは理解しているものの、史跡整備において考慮すべきことへの対応が不足していました 「情報提供不足」の区分 事業の基礎情報として公式ウェブサイトにおいて、相当量の情報提供があるものの、分かりやすい情報提供について欠ける点がありました (2) 事業全体に影響を与えたもの 「スケジュール優先」の区分 スケジュールを優先した事業の進め方であったことから、竣工期限を度々変更するなど混乱をきたすとともに、必要な調査検討が不足しました 「職員の苦悩や葛藤」の区分 過去の担当者への聞き取りにおいて、前市長の意向、職責による苦悩、葛藤が見受けられました 40ページ 5 今後の事業推進に向けて (1) 事業を進める上での基本的な方針と再発防止策を含む今後の進め方 「市内部の共通認識と円滑なコミュニケーション」の区分 ・市内部の認識を一致させた上で、円滑なコミュニケーションを図るため、「天守閣整備事業の推進ポリシー」を定め、市長、副市長、当局は共有し、ともに事業を推進します 「人権意識の向上と障害者等当事者との建設的対話」の区分 ・観光文化交流局では人権監理者を2名配置し、人権監理者を中心として、職員一人ひとりが主体的に適切な判断を行うことができるよう取り組むとともに、市民向け説明会等を実施する際には、準備段階から人権監理者によるチェック、助言・指導を行います ・研修等の充実を通じて、職員一人ひとりの障害者理解をはじめとする人権意識の向上を図ります ・建設的対話の場として、「バリアフリー整備相談支援事業」の活用を念頭に、当局と当事者との相互理解の上で進められるよう、障害者等当事者の意見を聞きながらバリアフリーの方針を検討します ・高齢者や障害者、子どもを連れた人、外国人など、多様な来場者に対応するため、バリアフリーの観点やユニバーサルデザインを踏まえ、観覧環境の更なる充実に努めます ・差別発言等による人権侵害を二度と起こすことのないよう、適切な準備期間を設け、応援・協力体制を構築し、十分に対策を講じた上で、市民向け説明会等を運営していきます 41ページ 「特別史跡内における整備の丁寧な進め方」の区分 ・名古屋城に携わる者の史跡保護に対する意識の徹底、学芸員の調査研究に関する能力向上を図っていきます ・全体整備検討会議など、有識者の指導・助言をいただくとともに有識者等関係者の理解を得ながら進めていきます 「市民等への丁寧な説明と理解促進・機運醸成」の区分 ・市民等へ分かりやすく伝えるための表現や、情報発信の方法を検討、実施します ・市民等へ広く総括の内容をお示しし、信頼回復に全力を尽くします ・戦後復興の象徴である現天守閣の価値について、様々な記録を適切に保存するとともに、公開・活用し、市民等に広く発信していくことで、現天守閣を記憶に留め、現天守閣の記録・記憶を継承します 42ページ (2) 今後の事業の流れ 総括をして、議会への報告、障害者団体等への説明を行う その後、事業の進め方の議会や市民への説明を行う これらを経てから事業の再スタートに入り、障害者等当事者との建設的対話、市民への丁寧な説明を行った上でバリアフリーの方針を定めて、整備基本計画をとりまとめる