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名古屋城伝統の技にふれる2016 石垣修復現場見学会を開催しました

名古屋城伝統の技にふれる2016 名古屋城石垣修復現場見学会

日時:平成28年2月27日(土)10:30~11:30、13:30~14:30

 2月27日(土曜日)、穏やかな晴れの中、約400名の応募者の中から抽選で選ばれた160名のうち130名の方にご参加をいただき、3回目となる石垣修復現場見学会を開催しました。開催場所は、引き続き現在石垣修復工事を行っている「本丸搦手馬出(ほんまるからめてうまだし)」です。 本丸搦手馬出石垣は、石垣の下方が前に迫り出し、崩落の危険性があったため、立面積約1,200㎡、約4,000の石材の解体・積み直しを行うという全国でも最大規模の修復工事を平成16年度から行っております。 最初に、二之丸広場にて名古屋城の石垣および石垣修復工事の概要について担当の学芸員より説明を行いました。次に、参加者の方は修復現場での見学を行いました。

 参加者の方には、二之丸広場にて名古屋城の石垣および石垣修復工事の概要について説明を聞いていただいた後、解体した石垣と今年度行っている石垣の土台部分の調査、解体した石材を間近でご覧いただきました。
 通常は築石(つきいし、表面に見えている大きな石)しか見ることができませんが、解体中の石垣では、築石の背面に拳から人の頭ぐらいの大きさの栗石(ぐりいし)が2~6mの幅で入れられている状況や、栗石の背面に土がある状態など、普段は見られない石垣の構造を確認していただきました。
 また本丸搦手馬出石垣では、築石の横の列が通る「布積」と横の列が通らない「乱積」の二つの積み方が用いられている状況や、「乱積」が名古屋城の築城期の石垣であり、「布積」は積み直しが行われた可能性があることを説明しました。布積部分の積み直しは残されている史料から天和2年(1682)に積み直されたと考えられています。
 名古屋城の石垣に使われている石は、築城期には花崗岩(かこうがん)、花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん)、砂岩(さがん)が大部分を占めます。花崗岩は小牧市の岩崎山や瀬戸地域、三重県の尾鷲地域、花崗閃緑岩が幡豆や篠島などの三河湾沿岸、砂岩が岐阜県海津市周辺の養老山系から運ばれたと考えられています。天和2年の積み直しの際には岩崎山から交換用石材として新たに石を運んでいるようです。

 参加者の皆様には、修復工事の中で取り外した石垣の築石もご覧いただきました。
 石垣の石には、刻印(こくいん)や墨書(ぼくしょ)が観察できる石材があります。名古屋城は徳川家康の命で20の大名のより普請(土木工事)が行われたため、刻印は自分が運んできた石材を他の大名のものと区別するために入れられたと言われています。墨書には番号、記号、寸法、石垣の中での位置を表したと考えられるものが見られます。

 石垣の土台部分の調査では、石垣の北面で堀底の土の下に埋まっていた石垣をご覧いただきました。調査は途中段階でしたが、堀底を1.2mほど掘削したところで、築石の前面に栗石が置かれている状況をご覧いただきました。これらの栗石は石垣の前面を安定させるために入れられたと考えられます。
 見学会の後、この栗石を外し、石垣の最下段の構造である根石や土台木(胴木)の確認を目的として、さらに深い部分の掘削を行いました。結果としては、一部で最下段となる根石を確認しましたが、他の部分については最下部の状況までは確認を行うことができませんでした。また、根石が確認できた部分では、土台木は敷かれていませんでした。平成26年度に行った石垣東面の調査でも、根石の高さに違いがあったり、土台木の用いられない部分と用いられない部分が混在していたりしましたので、最下部の状況は多様であると考えられます。

見学会時の根石調査の状況

見学会時の根石調査の状況

見学会後に確認した根石の状況

見学会後に確認した根石の状況

 名古屋城での石垣修復現場見学会は今回で3回目となりました。根石部分の調査が主となったため、石垣の姿に大きな変化はありませんが、江戸時代の技術や石垣の状況について多くのデータを得ることができました。今後の修復に向け活かしていきたいと考えています。
 名古屋城では、石垣だけでなく、名勝二之丸庭園の保存整備や本丸御殿の復元など、文化財を後世に引き継ぐとともに、さらなる魅力向上を図るための全体整備を進めております。この機会に名古屋城にお越しいただきますよう、皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

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